腰痛でお困りの方

腰が痛くなったことはありませんか?
ふとした時に腰の筋肉の張りや重だるさを感じたことがありませんか?

 

国民の約80%の方が腰痛に悩んだことがあると言われています。
平成28年の厚生労働省の有訴者率(病気や怪我などの自覚症状がある者)に関する調査によると、

という報告がありました。
重い物を持つ力仕事同一姿勢での作業スポーツでの疲労などきっかけはいろいろありますが、症状が軽度でも重症でも腰痛という身体の不調のサインに対してケアをしていくことが大切かと思います。

 

しかし、なぜ腰痛を経験する方がこんなにも多いのでしょうか?
その腰痛に関して姿勢との関係が非常に高いため、その姿勢についてインソール療法の視点で説明したいと思います。

 

姿勢が悪いと腰痛になりやすい?

 

みなさんもよく姿勢が悪いと腰痛になりやすいと聞いたことがあるのではないでしょうか?
上の図はそれぞれの姿勢で腰に負担がかかる大きさを表したものです。
真っ直ぐ立っている状態を100とした場合、
寝ている状態には腰への負担は少なくなり、前かがみの状態は腰への負担が大きくなります。
さらに、その状態で荷物を持ち上げると立っている状態の2倍以上の負担がかかってきます。
このような状態で作業するとぎっくり腰になったり、慢性的な腰痛を引き起こすことに繋がってきます。
例えば、掃除機を使った掃除デスクワークでの前かがみ姿勢などこのような姿勢で動いていることに気付くかと思います。
つまり、前かがみ姿勢をしたときに身体をどのように使えるかが大切になります。

 

腹圧を高めることが腰痛軽減に繋がるポイント

腹圧」という言葉を聞いたことはありますか?
似たような言葉では、「インナーマッスル」「体幹筋」などがあります。
聞いたことはありませんか?
日常生活だけでなく、スポーツにおいても非常に大切になってくるのがこの「腹圧」になります。
なぜ、この「腹圧」が腰痛と関係しているのでしょうか?

腹圧とは、腰椎や骨盤を安定させるための筋肉の働きによりお腹に力が入っている状態のことです。この腹圧が弱くなるということは腰椎や骨盤が不安定になり、関節や椎間板に負担をかけ、微細な損傷を起こし、長期的になると痛みや痺れなどを引き起こすことに繋がってきます。また、中学生などの成長期や高校生で部活動での運動量が増えてくると、場合によっては腰の骨の疲労骨折を招くことにもなります。
つまり、腹圧を最大限に働かせる身体を作っておくことが腰痛の予防、大きな怪我の防止の手助けとなります。


この腹圧は、トレーニングによっても改善することができます。
または、足部から背骨の配列を改善するようにインソール療法を実施し、腹圧を高める治療戦略も行うこともあります。

 

みなさんがよく経験する腰痛

○ぎっくり腰(急性腰痛)

 

ぎっくり腰は急な動きによって起こることが多いです。
例えば、床の物を拾おうと手を伸ばした時荷物を持ち上げた時や朝起きようとした時など瞬間的な場面で起こります。
この場面では、腰の関節や筋肉・靭帯・椎間板などに過度な負担がかかり、組織の損傷と炎症を起こしてしまいます。

ですが…
皆さんはこのような痛みを経験したときにどのように対処していますか?
よく患者様から聞くのは…
「動かずに安静にしていた。休んでいた」
「痛み止めや湿布で治した」
「注射を打ってもらってなんとか動けるようになった」
などなど似たような答えを伺うことが多いです。
確かに、安静にすることは大切な治療選択ですが、安静や痛み止めなど炎症が落ち着いたことで痛みは軽減するかと思います。
しかし、実際には腹圧などの筋肉や関節の柔軟性などは改善していない可能性があり、再度ぎっくり腰を繰り返してしまったり、痛みが長引いてしまったりしてしまいます。

そのため、急な動きをしても耐えられるような身体機能を取り戻すためにインソール療法を実施します。

 

このようにぎっくり腰をする方の特徴として…

①重心が後方になりやすく、前方重心で身体を支えにくい
②腹圧が高めにくい

 

インソール療法の視点では、この2つのポイントの改善を目指すことが多いです。

そのため、インソール療法の治療の考え方としては、前足部の支持性向上胸椎の可動性・柔軟性の改善です。

 


この方に対しては、後方重心での姿勢を改善するために前足部での制御ができるためのインソールを作製しました。前方での支えが安定したことで、前屈も改善し、床の物を拾いやすくなり、ぎっくり腰の再発を防ぐように調節させていただきました。また、背骨の柔軟性も改善し、弯曲も機能の制御し、動きの改善を図っています。

 

○腰椎分離症(腰椎の疲労骨折)

腰椎分離症はあまり聞き慣れないかもしれませんが、
中学生~高校生などの野球・バレー・バスケットボール・水泳・陸上などのスポーツに多い腰の骨の疲労骨折です。体を捻じったり反ったりする動作が多いスポーツでみられます。

その背景としては、身体の柔軟性が低下していたり、運動量と休息とのバランスが崩れ身体に負担が溜まっていたりする選手に起こりやすいです。
ですので、インソール療法の視点としては、身体の柔軟性の改善を目的として作製することが多いです。


腰痛になりやすい動き方は体幹の上部体幹(肩甲骨や胸)がしっかりと捻じれない(回旋できない)ことや蹴り出し脚がしっかりと伸びていないことで腰への負担が増加し、疲労骨折を起こすケースがあります。この選手に関しても、走り方から左右のバランスが崩れていることが分かるかと思います。

このようなケースではインソールにより上部体幹の柔軟性を改善・蹴り出しがしっかりと伸びることを目的としたインソールを作製します。この2つのポイントが改善することで腰への負担が軽減され、痛みの軽減や疲労骨折部の負担の緩和を図り、動ける体へと治療展開していくことを目指しています。

 

○慢性的な腰痛

 

慢性的な腰痛はさまざまな場面で感じるかと思います。
最近のメディアでは脳科学から基づいた治療展開なども公表されていますが、
今回はその「脳の中で作られた痛み」ではなく、姿勢とインソールという視点でお伝えさせていただきます。

 

もし、「脳の中で作られた痛み」に対する治療については後日ブログの方で情報発信していきます。
すぐにでも知りたいという方は当院までお越しください。

 

慢性的な腰痛では、同じ姿勢や偏って繰り返される作業などにより生じることが一般的です。
背景にはさまざまな原因や理由がありますが、筋肉の性質からみると、筋肉が伸びたり縮んだりできない状態で長時間いると筋肉は酸欠状態になり、痛みや疲労感を生じやすくなります。
つまり、筋肉が常に伸び縮みしやすい動きを生み出せることが痛みの軽減に繋がってきます。
みなさんの生活でも長時間デスクワーク中腰姿勢での作業の後には、背伸びやストレッチや筋肉を揉んだりすることがあると思います。自然の生活の中で私たちは筋肉をケアしていることになります。

 

このような方には背骨が柔軟に動けることきれいな脊柱のカーブがつくれることを目的にインソールを作製することがあります。背骨の配列がきれいになっているときは、ある一部ばかりに負担が集中しにくくなるため、正しい姿勢を獲得することが楽に動きやすくなります。

姿勢の歪みは歩き方からも観察できます。骨盤-腰椎-胸椎-頚椎-頭蓋骨の配列を修正することで身体のバランスを修正し、部分的にかかる負担を軽減させることを目的にインソールを作製します。側弯症などの背骨の歪みからくる腰痛に対して作製することがあります。


最後に…

冒頭でも言いましたが、腰痛は国民の8割の方は経験があり、日常生活に支障をきたす痛みになります。その痛みの背景には、姿勢の影響が大きく関与しています。
その姿勢を変える目的の1つの方法として、インソール療法があります。
日頃からの運動とストレッチも大切ですが、なかなか運動する機会が難しい、ストレッチも長続きができないなどの経験がある方はインソール療法も1つの改善の方法かと思います。

 

腰痛で日常生活に支障が出ている方、支障はないけど腰痛になりにくい身体を作っていきたい方など多くの方がいらっしゃるかと思います。もし、インソールを作製したい方は、当院へ来院していただき、受付スタッフに「インソールを作りたい」とお伝えください。
当日などの急な場合でも対応させていただきますので、お時間があるときにお越しください。

 

しかし、腰痛の原因として最近メディアにも注目されている「脳の中で作られた痛み」も存在することも事実です。当院では、姿勢から生じる腰痛だけでなく、「脳の中で作られる腰痛」に対する治療技術も取り入れていますので、腰痛でお困りの方は当院までご相談下さい。

 

少しでも多くの方々が腰痛から解放されて、笑顔で過ごせるようスタッフ一同精進していきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

2019年01月26日